2024年3月16日ものすげえもんを読んだ・逸木裕『四重奏』
逸木裕『四重奏』(光文社2024年12月)超超超超超収穫。この数年でたぶんいちばんの収穫。すごいものを読んだ。積読してあったものを手にとったんだけど、仕事そっちのけで夢中で読んちまったぜ(^_^;)
音楽素材のミステリーです。ただし、ミステリーとしての構造よりも音楽小説としてすごい。
ストーリーそのものはシンプルで、急死した天才チェリストの謎の死について、ぱっとしない三流チェリストがその謎を追ってゆく、って話。
ただなー、凄いんだ、音楽の描写が。ぱっとしない主人公のチェリストが漫画喫茶で便所掃除する日常と、謎の音楽家とその四重奏団とかさ。話の奥行きが深くて、音楽の話だけではなく「創造とはなにか」「模倣と独創性と錯覚とは」というテーマを考えさせられる。
登場人物のつくりが細部にいたるまで丁寧。ぼくはほんのちょっとだけ出てくる、新興宗教の教祖・鬼龍院の俗物っぷりを堪能しました。
かなり小説マニアに向けて作ってあります。そこらへんはご理解くださいな。
ぼくの話では良さが伝わらないかな? まあ、騙されたと思って手にとってみてください。amazonへは(●ここ●)。
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