2021年9月13日受講生桃野雑派君の江戸川乱歩賞受賞作『老虎残夢』(講談社)来着。
おもわず装丁と装本とページ数と定価をチェックして、初版部数を見積もっちゃったよ^^; スレてるよなあ。──なんだかんだ言いながら、やはり乱歩賞は初版の刷りかたが違う。
内容は、もちろん面白いよ。
原稿の段階でチェックしたとき、
「著者が『美少女の武侠小説を書きたい』という熱意は伝わるし、正統的な造りで読みやすくて面白い。デビュー後の商業出版ならヒットするタイプの作品。ただし、新人賞としては弱いのではないか」ってコメントした。ほいでもって予選落ちした場合、これはよそに出し直さず、デビューしたときのストックにしておくように伝えた……あほやな、キイチロー先生は^^;
前年に乱歩賞を受賞したときとは、作風も素材もまったく異なるんで、そこらへんの芸域の広さを買われたかな。
今回はキャラクターを前面に押し出すタイプの作品。ただし取材力が圧倒的で、吸収力がずば抜けて高い著者です。ぜったいチェック。
鈴木輝一郎 by desktop