2021年10月4日月曜日

本橋 信宏『全裸監督 村西とおる伝』は創作者必読の覚悟の書だ

 本橋 信宏『全裸監督 村西とおる伝』太田出版 (2017/3/10)読了、感想。これは超超超超超超超超収穫。AVの帝王、村西とおるのノンフィクションです。「仕事を放り出してむさぼるように読む」なんてのは、何年ぶりかなあ。凄いっす。読みながら「俺はこんな覚悟と情熱で書いてるかな?」と自問させられます。

もとは山田孝之主演のドラマを観て、山田孝之(実はネットフリックスのドラマを観るまで、山田孝之という俳優を知らなかった)のあまりの凄さに、原作をあたった。まあ、世代的に村西とおる&黒木香はリアルタイムで観てたからね。で、読んでみて衝撃でありました。

若い監督たちが公開インタビューで村西とおるに「ぼくたちに足りないものは何ですか?」と質問したら「前科です」と即答され、場内が爆笑した、というシーンがあった。だけど、質問した監督たちは凍りついただろうなあ、と思うよね。常に逮捕と隣合わせの業界のはずなのに、そこそこのところに踏みとどまっている自分たちに、どんな情熱があるんだろう? なんて思ったろうなあ、と。

「十年に1度、出るか出ないかの最高傑作ノンフィクション」と言ってしまおう。

すごかったぜ。



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