知念実希人『神話の密室 天久鷹央の事件カルテ』(2020年9月・新潮文庫)読了、感想。医療短編ミステリ。これは収穫。
鈴木輝一郎小説講座の受講生から「救急車で救急搬送されているとき、意識確認で『小説家です』とこたえたら救急隊員が『患者、意識混濁してます』とこたえた輝一郎先生のエピソードが丸パクリされてます!」ってメールがきたんで、どれどれと手にとってみた本。ぜんぜん違う話じゃん^^; 医者の視点から描かれてて、作品のポイントはそこじゃないし。でも主人公がアルコール依存症の小説家。
密室でどこにも酒がないのに酔っ払っている、どこから酒を手に入れた? ってのが謎。ぼくは味醂でとどまりましたが、ヘアトニックを飲む人もいますからな。匂いをかいだだけでイソプロピルアルコールが入っているかどうか──つまり「薄めて飲めるかどうか」がわかるようになるよねえ。本作とは何の関係もありませんが。
メディカルミステリって、書くのが本当にたいへん。コメディに仕立ててあって、ほんとうに上手いかたです。
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