山田ルイ53世『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版 2019年1月14日)これは超超超超超収穫。エッセイです。ものすげえ面白かったっす。元はこの著者のポッドキャストをたまたま聴いたら面白く、『一発屋芸人列伝』がとてもよかったのでせっかくだから読んでみようと取り寄せた本。
一発屋芸人としての自分を冷徹に描写する客観と諦観が素晴らしい。一発屋の「芸の皮」を「高度にパッケージ化されているから、余興を乗り切るぐらいなら誰でもできる。凄い発明なのだが、誰も尊敬しない」とは、「芸へのリスペクト」をなんと正確に分析していることか。
「自分の好きなことはやれず、なりたい理想の人間にもなっていない。重要なのは『なれた自分でなんとかやってゆく』」なんてのは、奥深い人生訓でもある。
本当にいい本でした。必読だよん。
小説家鈴木輝一郎は今日もパコパコ